自炊erにとって無くてはならないレシピサイト、クックパッドの内部に迫る一冊。面白かった。
とにかく数ページごとにtumblrでQuoteしたくなる名言が埋め込まれてるので、詳細は本を読んでもらいたいが、とりあえず気になったとこを。
まずは会社の理念について。
- 会社設立の根底にあるのは、「心からの笑顔」を増やすこと。それが「食」というテーマと結びついて、クックパッドというサービスができた。
- 料理を楽しむことで、笑顔になってもらうことがゴール。極端な話、ユーザを増やすことすら第一の目標ではない(実際、最初の頃はサーバの負荷を抑えるため、なるべくユーザが増えないようにしていたという)
次に、徹底したユーザ目線のデザイン。
- ユーザのことを徹底的に考える。特に、UI設計に関するこだわりが異常。サイトの細部に至るまで、ユーザがどう感じるかを基準に調整されている。
- 例えば「白菜」という検索を行うときは、白菜が余っていて、大量に消費したいことが多いのだという。なので、白菜を多く使うレシピが上位に来るように調整している。
- このような微調整に欠かせないのがログの解析で、専用のツールを作ってユーザの導線を研究している。
- 「誰が見ても検索窓を見つけられなければならない」「広告が一番目立つとか論外」「説明が必要なサービスは、レベルが低い」
そして、ユーザと広告主の両方を満足させる広告戦略。
- 徹底したこだわりでユーザは100万人にまで増えたが、それだけでは食っていけないのがWebサービスの辛いところ。経営的に厳しい時代が何年も続いたという。そこから、「ユーザだけでなく、広告主の立場に立って考える」ことで、広告を受注できるようになった。
- 「献立に悩む人たち」と、「商品の良さを伝えたい人たち」の間をとりもつのが広告の役割。商品を利用したレシピのコンテストなど、ユーザと広告主の両方にメリットのある広告しか使わないという。
- 「80万人が年間に50億円消費する商品があったとする。これを55億円にすることを目標にするのではなく、あと8万人だけ多くの人に満足してもらおう、と考えるべき」
「良いものを作って満足してもらえば、自然とビジネスは成長するはず」なんて言葉があるけど、もっと積極的に、「満足してもらえ、かつビジネスとして成り立つことしかしない」という強固な意志がクックパッドを支えているようだ。
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