2009年9月26日土曜日

技術系イベントにおいて、若者の方がプレゼンが上手い理由

そういう傾向があるなーと漠然と思ってたんだけど、「文字が少ないスライドはなんとなく気恥ずかしい」という既成概念を持たないからなんだね。

会社や研究室でプレゼンをするより前にLLイベントとかのプレゼンを観る機会があれば、「そういうもん」だと思うからな。

逆に研究者のスライドは文字が多すぎるとずっと思ってたんだけど、あれは「ちょっと前の話が何だったか思い出せるように」という効果があるらしい。ふーむ。

2009年9月3日木曜日

「パターン、Wiki、XP」が描く一億総クリエイター時代?

「パターン、Wiki、XP」を読み終えた。約1ヶ月か。

『デザインパターン。Wiki。エクストリームプログラミング。

この、一件何の関係も無さそうな3つの概念の裏には、'60年代の建築家アレグザンダーの思想が関わっていた…!』

というアオリにどきどきしてしまう人は、買って損はない。以下は「ネタバレ」を含むので注意。




さて、本書はアレグザンダーが建築における「無名の質」を実現するために考えた、6条から成る「創造の原則」と、それを元に生まれたデザインパターン、Wiki、エクストリームプログラミングについて考察する。「無名の質」には明確な定義が存在しないが、歴史ある町並みの醸し出す「なんかいい感じ」のことを名付けられない性質、即ち「無名の質」と呼んでいるようだ。

では「無名の質」を備えた建築を人工的に作るには、どうすれば良いだろうか。このために考えられたのが以下の6つの「時を越えた創造の原則」だ。

  • The principle of organic order(有機的秩序の原則)
  • 〜participation(参加)
  • 〜piecemeal growth(漸進的成長)
  • 〜patterns(パターン)
  • 〜diagnosis(診断)
  • 〜coodination(調整)

まあ、部分から少しずつ、利用者が協力し合って、パターンを作りながら創作を進めればいい感じになるんじゃね、ということである(大ざっぱすぎるぞ)。

ただ気をつけなければいけないのは、結局アレグザンダーがこれを利用して無名の質を手に入れた、とは書かれていないところだ。どちらかというと、「アレグザンダーの無名の質を求める旅はこれからも続く…!(次回作にご期待下さい)」という状態のように見える。

だから「この原則に従えば無名の質が手に入る」ではなく、「この原則に従えばWikiやXPが実現したものが手に入る(かも)」と考えた方が良いのではないか。もちろん、それが無名の質なのだと考えることもできるが、無名の質自体が曖昧な概念なのでよく分からない。それでも、Wikipediaを初めとした成功を見れば、「時を越えた創造の原則」が持つ力には考えるだけの価値が充分にあることが期待できる。

6つのうち最も重要なのは「パターンの原則」なのだろうが、個人的には「参加の原則」が気になる。参加者が設計段階から関わるXP、参加者が実装者ですらあるWiki。アレグザンダーの描く未来はどのようなものなのだろうか?全ての人が、自分に必要なものを自分で作る時代?そういや森博嗣も最近、連載で「50年後は一般人が音楽を気軽に作成・アレンジできるようになる」とか予言してたな…。

(プログラマ的に)身近なところでは、集合知とか、CGMとかに興味のある人は一度読んでおくといいだろう。面白かった。